私の制作は、多様な技法の組み合わせにより、自然現象や物質の質感を思わせる深みと、光や水の透明感を感じさせる作品を制作しています。
布という媒体に色を積層する過程は、偶発性と計画性の間で行われ、時間をかけて手を加えることで、奥行きのある表現を生み出します。
揺れ動く布の質感や透明感は、風や光、水といった自然の要素を感じさせ、鑑賞者に自然の中にいるような感覚を与えます。
また、植物をモチーフとしたシリーズでは、花びらの儚さや生命力を象徴的に表現し、繊細でありながらも力強い自然の姿を描き出しています。
これらの作品は、布という素材の持つ物理的な透明感と、色彩の重なりが織りなす視覚的な奥行きを体現しています。
私の制作は、技法や素材そのものの可能性を探求しながら、自然の持つ多層的な美しさを抽象的に表現することを目指しています。
大木もと子